🎵夏が過ぎ 風あざみ……
この一節を目にするだけで、井上陽水さんのあの艶(あで)やかな歌声が“秒で脳内再生”された人は、きっと私と同世代か、年上の方々に違いありません。
というわけで皆さん、こんにちは(こんばんは)。
見た目は「大人」、心は永遠の「少年時代」――自称「PTA初心者」のMです。
読んでみた一書
夏休み、終わっちゃいましたね。
2学期、始まっちゃいましたね。
それぞれのご家庭において、わが子の宿題や新学期の準備をめぐる「悲喜交々(ひきこもごも)」のドラマ――というか、てんやわんやがあったことは想像するにあまりあります。ええ、だってわが家もバッタバタでしたから😅
そんなMではありますが、この夏休み、実は、がらにもなく「読書」に挑戦してみたんです。
それが、この一冊。タイトルは『政治学者、PTA会長になる』。
この著者である政治学者の岡田憲治さんが、とある全国紙に登場していて、その記事を読んだのですが……それがめちゃくちゃオモシロくて、Amazonでポチッとして即、購入したことがきっかけでした。
PTAって、そもそも何のため?
著者で専修大学法学部教授の岡田憲治さんは、お子さんが通う小学校のPTA会長を3年間務めました。
政治学者だからといって、うまくやれたわけではなく、葛藤と挫折を繰り返しながら、喜びを見いだした日々だったといいます。
子どもが小学校に入学すると、何かと関わらざるを得ないPTA活動。そもそも、やらなきゃいけないの? 楽しくやるため、心にとどめておきたいことって、なんなの?
そんな問いに対する答えの一つが、この本の中には描かれています。
以下、新聞のインタビューに掲載された岡田憲治さんの言葉を引用します。
「多くの人が誤解していますが、PTAは任意のボランティア団体です。つまり、趣味のサークルと基本的には同じで、出入り自由」「やらねばならないのは、目の前にいる子どもの命を守り、お金の管理だけはきちんとするということだけです」
「みんな、子どもの体調不良や病気、不登校、親の介護など、さまざまな問題を抱えながら必死に生きています。余裕がなくてイライラして、子どもにきつく当たってしまって、自分を責めながら子どもをお風呂に入れて、寝かしつけてって、こういった日々じゃないですか。『今年はPTAできない』と思って当たり前。家庭を犠牲にしてまで、やることではないのです」
「そんなことを言っていたら、人が集まらないと思うかもしれません。そしたら、集まった人たちでできることをするだけです。『家庭も仕事も落ち着いてきたから、今年はできるかも』と思ったら、やればいい。ただし、無理なくやることです。PTAは〝やってあげたい〟という気持ちで支えられている、対価のないボランティア活動です。一人で責任を背負い込まなくていいし、評価やダメ出しもありません」
こうした一言一言に、Mはめちゃくちゃ共感しまくりました。というのも、長沼小学校のPTAも、全く同じ思い・同じ考えで活動しているからです。
岡田さんは、こう続けます。
「親御さんにとっては、『学校』というキーワードが入ると、どうしても『ちゃんとしなければならない』と萎縮(いしゅく)してしまうところがあるかもしれません。ですが、せっかくやるなら、伸び伸び活動して、わが子に『地域や人のために何かすることは楽しい』というポジティブな姿を見せてあげてもらいたいと思います。これからPTA活動をする人には、怖がらなくていいよと伝えたい」
「一番大切なわが子と家庭を守りながら、余力があれば、『お返ししよう』ぐらいの気持ちで、楽しくやればいいんです。PTAに関わる人みんなが、肩の力を抜けるようになって、いい空気が流れ始めたら、お互いの素晴らしさをどんどん引き出していけるはずです。皆さんは、もともと、グレートな力を持っているんですから」
こうした言葉に触れながら、ふと、長沼小学校のPTAの様子を思い起こしました。
かくいうMもフルタイムで働くパパ。日々、悩みながら、葛藤しながら、それでも――「PTAの活動をすると楽しい!」「子どもたちの笑顔を見られるのがうれしい!」「自分の地域の小学校の未来に対して、自分の意見を少しでも反映していけるのは、おもしろい!」と感じてきた一人です。
そう実感できるのも、一人一人の状況を理解しながら、「もっと楽しくしていきたいよね!」と一緒に知恵を出し合い、支え合う、PTA関係者の方々がいてくださるからにほかなりません。
「もちろん大変なこともあるけれど、理屈抜きで、ただ楽しい」――なんか、それこそが、自分がPTAの活動をやっている理由かもしれないなあ。
本年7月に行われたPTA本部役員の懇親会(前年度に役員を務めてくださった方々への感謝の意義も込めて)の模様を収めた写真を見返しながら、そんな思いをあらためて、かみ締めた次第です。